第3回いきいき運転講座
先日は第3回いきいき運転講座を開催してきました。今回のテーマは「サポカーを学ぶ」です。
「サポカーとは?」
サポカーとは「セーフティ・サポートカー」の略称で、政府主導で行う高齢者の交通事故防止対策の一環として衝突被害軽減ブレーキを搭載した安全サポート車と愛称のことを指します。
特に高齢運転者に推奨されるものは「セーフティ・サポートカーS」とされ、衝突被害軽減ブレーキに加えて、ペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載しています。
「サポカーSのランク」
サポカーSは衝突被害軽減ブレーキの機能に応じて、以下の3つのランクがあります。
「高齢者の死亡事故は運転操作ミスが多い」
75歳以上の高齢運転者は、操作不適による事故が最も多いです。そのうち、ブレーキとアクセルによる踏み間違い事故は、75歳未満が全体の0.8%に過ぎないのに対し、75歳以上の高齢運転者は6.2%と高い水準にあります。よって交通死亡事故軽減を目的にサポカーの普及が推奨されています。
「サポカーの技術」
サポカーの技術は大きく4つの目的で開発発展しています。特に最近はカメラ機能だけでなくレーダー機能も搭載され、より事故防止の感度が高くなっています。また、自動ブレーキだけでなくハンドルアシスト機能も車種によっては搭載されており、衝突リスクはかなり軽減できています。
「サポカーの技術はあくまでサポート」
サポカー、サポカーSに搭載されている先進安全技術は、交通事故の防止や被害の軽減に役立ちますが、これらの技術も万能ではなく、機能には限界があります。条件によっては装置が作動しない場合もあります。装置の機能を過信せず、引き続き安全運転は必要です。あくまでも運転者が気を付けなければなりません。
「サポカーに乗るなら60代で買い替えよう」
サポカーに乗り換えるタイミングですが、基本的には『運転をやめる歳からマイナス10歳』で考えればよいかと思います。概ね10年程度は車を乗りつぶす方が多いと思われるので、運転をやめる歳から逆算して考えるのが妥当です。なので「75歳で運転をやめよう」と思う方は「65歳を目途に買い替える」のがおすすめです。75歳で運転をやめるつもりなのに、72歳では「どうせあと少しだし、そのために何百万も出すのはもったいない」となるので、60代ごろから買い替えを考えるのがおすすめです。
サポカーの技術そのものはとても優秀ではあるのですが、各種設定やモニターの操作、ハンドルやアクセル、ブレーキの操作性、さらには車体感覚の再獲得となると80歳を迎えるころからかなりしんどくなってきます。スマホを若者のように使えなくなってくる感覚に似ています。ですので、60代頃からサポカーに関する感覚を身に付けておくのがおすすめです。
「交通事故と交通死亡事故」
「交通事故」と「交通死亡事故」の違いはご存知でしょうか?交通事故とは皆さんご存知の通り、車両が引き起こした事故のことで、「こすっちゃったな~」みたいな単純な物損から、人を巻き込んでしまう人身事故までのことです。交通死亡事故とは交通事故の中でも事故が発生してから24時間以内に人が亡くなった場合の事故を指します。実は高齢者に多いのがこの交通死亡事故なのです。
最近はテレビを含めマスコミが高齢者の事故を取り上げていますが、交通事故や運転操作ミスそのものは若者のほうが圧倒的に多い現状があります。しかし、交通事故を引き起こしても、運動神経が衰えていないので、急ブレーキが間に合ったり、そもそも身体が丈夫なので大事に至らないことや、怪我の回復も早いという要因があります。
一方で高齢になると、身体の機能が低下します。なので、一つの運転操作ミスがそのまま命取りになることが若者よりも多いのです。時速30㎞という低速運転による事故で亡くなる方も少なくありません。また、一命をとりとめてもそのまま介護が必要な生活になる方もいます。
サポカーを使うのは実は事故を予防するというよりも、事故を起こした後の命を守ったり、骨折して歩けなくなるということを予防する目的でもあるのです。
「運転見守りサービス」
サポカーのほかにもデバイスの取り付けで見守りをするサービスがあったりします。自分の運転が本当に安全かどうかというのは第3者からの視点がとても大切です。また、運転状況を家族と共有することで信頼してもらえたり、家族も安心感を得ることができます。
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