道路交通法と病気
病気や怪我をした際に、誰しもが運転再開を希望されますが、そもそも病気の診断結果や出現する症状によっては運転が再開できない場合があります。
道路交通法103 条では免許の取消し、停止等として「免許を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は免許の効力を停止することができる。」とされており、同条第 1 項第 1 号、第 1 号の 2、第 3 号において、以下のとおり、その欠格事由が定められています。
1 次に掲げる病気にかかっている者であることが判明したとき。
(1) 幻覚の症状を伴う精神病であって政令で定めるもの
(2) 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であって政令で定める
もの
(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
2 認知症であることが判明したとき。
3 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者であることが判明したとき。
以下のとおり、特定された病気にある患者の全てが該当するものではなく、特定の症状を呈している者だけが該当する相対的欠格であることが定められています。
【統合失調症】
自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。
【てんかん】
発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害及び運動障害がもたらされないもの並びに発作が睡眠中に限り再発するものを除く。
【再発性の失神】
脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であって、発作が再発するおそれがあるものをいう。
【無自覚性の低血糖症】
人為的に血糖を調節することができるものを除く。
【躁鬱病】
躁病及び鬱病を含み、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。
【重度の眠気の症状を呈する睡眠障害】
このほか、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する病気
(参考:道路交通法に基づく一定の症状を呈する病気等にある者を診断した医師から公安委
員会への任意の届出ガイドライン)
また、病名や怪我は大したことがなくても、内服している「薬」の副作用として、運転ができないものもあります。
自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状が出現するリスクがあれば法律上再開の許可はできないのです。
高齢者の方は様々な診断結果が出ていますが、運転可能かどうか診断結果をまず観察した補遺がいいでしょう。
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