移動という権利を守るために
自動車運転は地域における移動手段の一つであるが、同時に自動車運転による移動の自立・自由の保障により、生活、就労、社会参加、役割、生きがいが保障されるという多重構造を持つ活動でもある。そのため、多くの高齢者や障害者にとって運転の継続・再開は切実な問題であり、われわれ作業療法士が関わるべき重要な領域の一つとなっている。
(特集 運転と作業療法より)
最近はこの資料を読み直していて、改めて原点回帰をしております。
最初僕がなぜ自動車運転に興味があったのかと言えば『なんかかっこいいから』と『誰もやっていないから』という完全な見栄を張るところからのスタートでした(笑)
それでもってなぜか一番最初に受けた講義があろうことか自動車運転リハの第1人者藤田佳男先生という見事なめぐりあわせ。当時はそんなこととも知らずに先生の秘めたる熱量に圧倒されていましたが(笑)
リハビリテーション、作業療法、自動車運転支援、地域包括ケアシステムetc...
様々なポジションからクライアント支援を行う中で、運転リハビリテーションで何がしたいのか、目的は何なのかと問い続けた結果。
「クライアントの移動の自由という権利の支援」が本書を読んでいて響いたところです。
確かに、自動車運転が出来なけれな生活できないのかと問われれば、不便こそなれど不可能なことはない。地域と言えど代替手段はある(はず)。じゃあなぜ、自動車運転なのか?それはリハビリテーションなのか?というところにはかなり自問自答してきました。言語化できずに悩んでいた時に本書の上記の言葉がしっくりきたところです。
移動の自由が生活の自由を作り、生活の自由が人生の自由をつくる。作業療法士は生活再建のプロフェッショナルであり、身体機能、認知機能、生活機能をアセスメントできる職種であり、自動車運転を支援するのにこれだけ好都合な職種はない。
しかし、まだ自動車運転のリハビリテーションを行うのにはハードルの高さはいくつもあり、作業療法士の真価を発揮できるようなシステムは不在である。特に地域や介護保険システムでは皆無である。ニーズはあるのにもかかわらず。
システムがなければつくるしかない、人材がいなければ人材になるしかない。まずはここから始めていきます。移動の自由という権利を守るために。
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