自動車運転支援で気を付けたい事

自動車運転支援をしていると必ず起こることだがクライアント中心のみの視点でとらえてしまうことがあります。これはなにも自動車運転に限ったことではなく、普段の臨床からもそうであるが。時には支援者の目線で関わることの重要性もこここでは上げておきたいと思います。


以前書かせてもらったが、澤田先生は自動車運転支援をする際に恐怖メッセージを使うと書かれてありました。恐怖メッセージとはあえて最大限のリスクを説明するということです。

それはクライアントからすればかなりネガティブなメッセージであり、協働するという姿勢から遠く感じるかもしれないが、このセラピスト中心の視点からの介入はすごく重要なんです。


【セラピスト中心の介入から作業との関わりをもてた事例】

作業療法を行う上でセラピスト中心ではなく,クライエント中心の介入が良いとされている.今回,重度の記憶障害を呈した患者にセラピスト中心の介入を進め,最終的に作業との関わりをもつことができた。

という、中川先生と澤田先生の事例報告があります。

このかかわり方でうまくいくというのは、結構自分自身でもショックなところが大きかったが、クライアントの状況に応じてかかわり方を変えるというのはとても有用なことなんです。


とくに、認知症や高次脳機能障害が背景にありセルフモニタリングやセルフアウェアネスが不十分な事例は、時にはセラピストが先導することも重要な役割であるというのがよみとれました。


記憶障害が重篤になり,混乱をきたすケースでは作業的存在として成立しなくなる恐れがある.たとえ COPM で表面的な表出が可能であっても,実際は真のニーズでないことも存在する.クライエント中心にこだわるのではなく,時にセラピスト中心の考えで専門的に推察し,作業的存在であることの支援を行うことは有用であると考える.


作業療法はその成り立ちから、どうしてもクライアント中心に組み敷かれやすくなるし、作業療法士もその信念にとらわれがちになります。

自動車運転をするにしても、相手が作業的存在として成り立つのかどうかというのは、支援する上で重要な視点でしょう。


【引用文献】

中川怜子,澤田辰徳:セラピスト中心の介入から作業との関わりをもてた事例.第3回日本臨床作業療法学会学術大会誌.116

知多高齢者運転リハビリテーション

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